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“薄暗い影に待たせた友人のひどくゆるんでいる靴下の/田島千捺”

「よう……」
最初の一言を何と言おうか考えあぐねているうちについてしまった。
よりにもよって街灯が当たっておらず、塾から漏れる明かりも当たっていない薄暗い場所に立っていたヒイカは、「あっ」と怯えたような声を出して持っていたケータイから顔を上げた。
それが幼馴染に向かって出す声かよ、と内心でヒイカを蹴った。
「ご……ごめん」
謝ったのち、ヒイカは黙って俯いてしまった。
「いや、謝られても」
俺は引き攣った笑いを浮かべるしかなく、沸々と湧き出る怒りを抑えるため、ヒイカと同じように俯く。
何なのこいつ自分から田上くんが好きですって呼び出しておいて最初に謝る?さっさと用件言えよ俺はお前の都合に合わせて動けるほど暇じゃねーんだっての今だって自分の塾が終わってからわざわざ来てやってんだトロトロすんなと叫びたい気持ちを堪える。

ヒイカのソックスが片方、ゴムが全て抜けたみたいにゆるゆると靴まで落ちているのが見えた。
俺はこの女のこういうところが大嫌いなのであった。

呼び出したのはヒイカだが待たせたのは俺だ、この場合どちらがこの場の主導権を握るべきだろうと考えトロトロしているヒイカを引っ張ってやろうかと思ったが呼び出した方が話を進めるべきに決まっているだろクソ女。
俺はお前の駒じゃねえんだぞ。
友達……友達だろう。

「わ、私、田上くんが好きなの」
駒じゃねえんだ。

「だから、西森くん、協力してくれる……?」
俺は、この幼馴染が、この友達が、この女が、大嫌いだ。




“薄暗い影に待たせた友人のひどくゆるんでいる靴下の/田島千捺”
田島千捺さんが詠まれた短歌を解凍させていただきました。
光景が浮かぶままに10分くらいで書いたものです。
田島さん、ありがとうございました!
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“ハンガーの軋んだ音の揺らぎきて屋根一群に雪ふりつもる/田島千捺”

「今の何?」
眠っていたのではなかったのか、とベッドを見やると、君はすうと寝息をたてて目を瞑っていた。
やはり眠っていたのかと安心し、ギシッと家が揺れた音に本能的に目を覚まし反射的に口走っただけだったのだなと思う。
俺は自分がものを書いているところを見られるのが嫌い、というか単に恥ずかしいので、出来ればあと3時間は眠っていてほしい。
深夜3時。先程の家の軋みは昨夜の20時ほどから降り出した雪によるものだろうか。かけてあるハンガーが揺れている。
この家もそろそろ危ない、老朽化が進んでいる。
俺がどこかに行ったら、君はこんなにぼろぼろでもこの家に住むだろうか。オマエが住んでいるこの家に住みたいと日ごろ言う君は、住んでいるかのように毎日来るくせに、毎日きちんと帰っていく。
今日は珍しい。酔って動けなくなってしまうことなど殆ど無い、というより今まで皆無だったのに。何かあったのだろうか。訊ねた方がいいのだろうか。

君は俺を待っているのか?
俺の何を待っているんだ?

窓を開ける勇気はなかった。イギリスの冬は寒い。
カーテンを開けると、どこの家の屋根も雪が降り積もり、白くこんもりとした帽子をかぶっているようだった。
君が何か声を漏らす。
俺が君を置いていった方が、君は嬉しいか?

考えがまとまらないから、少なくとも今日は、朝までおやすみ。



“ハンガーの軋んだ音の揺らぎきて屋根一群に雪ふりつもる/田島千捺”
田島千捺さんが詠まれた短歌を解凍させていただきました。
光景が浮かぶままに10分くらいで書いたものです。
田島さん、ありがとうございました!

2016年

明けましておめでとうございます!
本年もどうかよろしくお願いいたします。

本年は書いたものを公開する場もいくつか決まっているので、更にみなさんに楽しんでいただけるようしっかり書いていきたいと思います(公開を課すために昨年のうちにアンソロジー参加に手を挙げておきました。参加させていただけるのはとてもありがたいことです。精進します)。

本年も相変わらず、
邦楽ロックが好きで、漫画が好きで、小説が好きで、ドストエフ好きーといえないドストエフ好きーで、クウガがヒーローで、死にそうだったり生きたかったりすると思いますが、てきとうにお付き合いいただけると幸いです。

そして、外に出ると体調がよくなるとか心が躍るとかそういう人種とはほど遠いですが、
遊んでいただけると嬉しいです!!

それではそれでは、また。
プロフィール

えるれ

Author:えるれ
好きなサイボーグは004です。

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