スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

“薄暗い影に待たせた友人のひどくゆるんでいる靴下の/田島千捺”

「よう……」
最初の一言を何と言おうか考えあぐねているうちについてしまった。
よりにもよって街灯が当たっておらず、塾から漏れる明かりも当たっていない薄暗い場所に立っていたヒイカは、「あっ」と怯えたような声を出して持っていたケータイから顔を上げた。
それが幼馴染に向かって出す声かよ、と内心でヒイカを蹴った。
「ご……ごめん」
謝ったのち、ヒイカは黙って俯いてしまった。
「いや、謝られても」
俺は引き攣った笑いを浮かべるしかなく、沸々と湧き出る怒りを抑えるため、ヒイカと同じように俯く。
何なのこいつ自分から田上くんが好きですって呼び出しておいて最初に謝る?さっさと用件言えよ俺はお前の都合に合わせて動けるほど暇じゃねーんだっての今だって自分の塾が終わってからわざわざ来てやってんだトロトロすんなと叫びたい気持ちを堪える。

ヒイカのソックスが片方、ゴムが全て抜けたみたいにゆるゆると靴まで落ちているのが見えた。
俺はこの女のこういうところが大嫌いなのであった。

呼び出したのはヒイカだが待たせたのは俺だ、この場合どちらがこの場の主導権を握るべきだろうと考えトロトロしているヒイカを引っ張ってやろうかと思ったが呼び出した方が話を進めるべきに決まっているだろクソ女。
俺はお前の駒じゃねえんだぞ。
友達……友達だろう。

「わ、私、田上くんが好きなの」
駒じゃねえんだ。

「だから、西森くん、協力してくれる……?」
俺は、この幼馴染が、この友達が、この女が、大嫌いだ。




“薄暗い影に待たせた友人のひどくゆるんでいる靴下の/田島千捺”
田島千捺さんが詠まれた短歌を解凍させていただきました。
光景が浮かぶままに10分くらいで書いたものです。
田島さん、ありがとうございました!
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

えるれ

Author:えるれ
好きなサイボーグは004です。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。